本記事は株初心者の方に向けてPERとは何か? 株式投資でどのように使うのか について説明します。
あくまで個人的な使い方ですので、使い方の一つとして捉えてもらえると良いと思います。
PERとは?
PER (Price Earning Ratio)とは現在の株価と企業の見込み収益を比較して、株価が割安かどうかを表す指標です。
PERは株式投資を行う上で最も重要な株価指標の一つです。日本語では株価収益率と言ったりします。
PERは以下の計算式から算出されます。
PER(倍) = 株価 / 一株当たり当期純利益
株価すなわち一株当たりの価値と一株当たりの当期純利益を比較した指数です。
一株当たり当期純利益はEPS(Warning Per Share)と呼ばれることもあるので覚えておくとよいでしょう。
【例】
株価5000円、一株あたり当期純利益250円であったとすると、
PER=5000 / 250 = 20(倍) となります。
PERの使い方
PERはある企業の 過去のPERと、業績予想に基づく現在のPERを比較することで今の株価の割安性を判定します。
【例】NTTについて考えます。

2016年からのチャートを見てみると、NTTは過去5年間 PERが9倍から16倍程度で推移しています。
これに対し、現在のPERは9.7倍であるため、現在の株価は過去5年間の推移と比べやや割安~適正水準にあるといえます。
従って、株価がさらに下がって、PERが8倍台になってくれば大きく割安水準となり、買いを検討しても良いということになります。
次に今年度予想を見てみます。

注目すべきは、修正一株益の項目で、予想は昨年を僅かに上回る値となっています。今後、4半期ごとの業績を確認しながら、この予想を上回る見込みが出てくれば、PERは安くなるため現在の株価でも買っていける水準と判断できます。
このように過去のPERと、業績予想に基づく現在のPERを比較することで今の株価の割安性を判定します。
次に注意点について説明します。
注意点
PERを使用する際の注意点は主に以下の2点です
- 業種別に適正PERは異なる
- 急成長企業には適用できない
▼業種別に適正PERは異なる
業種によって適正PERは大きく異なります。
例えば トヨタ自動車(7203)のPERは26.2、 NTT(9432)のPERは9.7 ですが、それぞれ置かれている事業環境が異なるため、どちらが割安などという議論はできないということです。
トヨタ自動車のPERを使うとするならば、例えばホンダ(7267)、日産自動車(7201)などと比較したり、一年前のトヨタ自動車のPERと比較するとよいでしょう。
▼急成長企業には適用できない
急成長企業ではPERは高く評価される傾向にあり、割安性を評価することは非常に難しいです。
そもそも株価というのは将来の成長や見通しを織り込み推移するものです。赤字企業の場合PERはマイナスとなってしまいますが、企業の売上高が大きく成長していれば数年先の大きな黒字を織り込み、株価は非常に高く推移することとなります。
特に昨今話題のDX関連銘柄やIT関連銘柄では製造原価が非常に小さいため、将来のリターンが大きく見込まれ、PERは非常に高い値となってしまいます。
まとめ
PERは割安性を評価する指標で以下の式で計算されます。
PER(倍) = 株価 / 一株当たり当期純利益
過去のPER推移と現在のPER、翌年のPERを予想することで現在の株価が割高なのか割安なのかを判断することができます。
急成長企業やIT企業ではPERを用いて割安性を評価することは大変難しいです。
以上、PERについての説明でした!
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